五感とピン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

五感というのがありますよね。
五つの感覚なので、五感。まず匂いがあります。耳の感覚があります。指で触った感じ。舌の上の快感。そして眼で愉しむ感覚。絞りの効いた服を見るのは、心地よいものですね。
服と耳との関係では、衣擦れがあります。ちょっと絹擦れでもあるように思うのですが、「衣擦れ」が正しいんだそうですね。
衣と衣が触れあって、微かな音を立てるから、衣擦れ。これはなにも日本だけのことではないて。西洋にも衣擦れはあります。たとえばフランスでは、「フルフル」。『フルフル』はシャンソンの題にもなっていますよね。
🎵 フルウ、フルウ、フルッフルウ………。
「フルフル」を説明するのも野暮の骨頂ではありますが。これは重ね着と関係があるのでしょう。昔の女の人はたいてい重ね着をした。たとえばドレスの下にアンダードレス。スカートの下にアンダースカート。スカートとアンダースカートが触れ合うと、囁きがはじまるわけですね。
でも、どうして五感なのか。「五」は昔から神聖な数とされてきたんだとか。
ローム数字の五は、「V」で表される。あの「V」はもともと片手の意味だったんだそうですね。「V」がふたつになると、「X」。もちろん、十を意味するわけです。「IX」が、九。「XI」が十一となるのはいうまでもないでしょう。
古典的な時計の文字盤によくローム数字が使われるのは、ご存じの通り。
五でもVでもなくて、500の話。ずばり『The 500』が題名になっているミステリ。マシュー・クワークが、2012年に発表した物語。この中に。

「カナーリで誂えたグレー地に青いピンストライプのぱりっとしたスーツだった。」

これは主人公、マイケル・フォードの着こなし。「カナーリ」は、イタリアの高級服の名前ですね。
ぜひ一度、ピン・ストライプのスーツを着てみたいものです。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone