デイヴィッドとディアストーカー

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デイヴィッドはわりあいと多い名前ですよね。デイヴィッド・クロケットだとか。ふつう、「デイヴィ・クロケット」で親しまれているのですが、もともとは、デイヴィッド・クロケット。
デイヴィッド・クロケットよりは後の時代だすが、ソロー。たいていは、
ヘンリー・D・ソローと記されるようですが。この真ん中の「D」は、デイヴィッドなんですね。ヘンリー・デイヴィッド・ソロー。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、『ウォールデン 森の生活』でよく知れています。これは単なる物語ではなくて、ソローが実際に体験した「森の生活」なのです。
ソローはまた、『ウォーキング』の著者でもあります。この中に。

「これまでの生涯を通じて、ウォーキングの技法を心得た人物には一人か二人しかお目にかかったことがない。いわゆる、そぞろ歩きというウォーキングの才能をそなえた人物のことである。」

ここでの「そぞろ歩き」は、ソンタリング s a unt er ing というのだそうです。この「ソンタリング 」は、ソンターから出ているらしい。「ソンター」
s a unt er は、「聖地に向う者」の意味だったとか。聖地には多く歩いて行くわけで、ここから「ソンタリング 」の言葉が生まれたものと思われます。
ソロー自身は、ソンタリング の名手だった。というよりも、ソローの人生は、ソンタリング の連続だったのでしょう。一度も勤めにつくことなく、自由に暮したわけですから。
デイヴィッドが出てくる小説に、『イングランド・イングランド』があります。ジュリア・バーンズが、1998年に発表した物語。

「もしデイヴィッドとのデイトを許してくれていたなら………………。」

これは、マーサという若い女性の繰り言。また、『イングランド・イングランド』には、こんな場面も出てくれてます。

「おそらく二人は、ディアストーカーに狩猟用ジャケット、キャバルリーツイルのズボン、ゲートル、鹿革の手縫いのブーツに山歩き用ステッキという彼の姿に驚いたのだろう。」

「彼」とは、物語の主人公、サー・ジャックのこと。これらの服装はすべて英国製だと、説明されています。
ディアストーカーをかぶって、「ソンタリング 」に出かけたいものではありますが。

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