ゲエテとゲラン

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ゲエテが、1786年にイタリアに旅しているのは、よく知られていますよね。有名な『イタリア紀行』を著していますから。この『イタリア紀行』に目を通しますと。
ゲエテは、1786年9月3日。執事の、フィリップ・ザイデルだけにそのことを告げて、ひそかに旅だったそうです。ヨハン・フィリップ・メラーという商人だということにして。
ゲエテがロオマに着いたのが、7月26日のこと。その時の印象を、ゲエテはこんな風に書いています。

「ピンチョの丘には樹が茂っていたが、ロンドン、パリに比べれば、全体に緑が乏しい。」

それから167年後のパリに旅したのが、小泉信三。小泉信三は、『フランス』と題する随筆に、このように書いています。

「次いで、リヴォリ街のアンジェリナに往き、ショコラ・アイスクリイムを食べ、次にシャンゼリゼのゲランという香水店で香水を買い、大使館に帰る。」

7月21日のところに、そのように出ています。
ゲランは、1828年創業の老舗。小泉信三はゲランで、「ミツコ」を買ったのでしょう。
せめてオオデコロンで、ゲエテの詩集でも開いてみましょうか。

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