シャンパンは美味しい飲物ですよね。いつ、どんな場合にでも口に含むことができます。
かのマリリン・モンロオは、朝起きると、一杯のシャンパンを飲んだとの伝説があります。その銘柄は、「パイパー・エドシック」だったとか。
「パイパー・エドシック」は、1785年に、フローレンス・ルイ・エドシックがはじめた酒蔵。マリー・アントワネットのお気に入りだったとの話をあります。
「パイパー・エドシック」もそのひとつですが、シャンパンにも星の数ほどの銘柄があります。
たとえば、「アルフレッド・グラシアン」というメゾンがあります。1864年に、エペルネに誕生しています。あるいはまた。「ブノワ・ライエ」という銘柄も。
さらにには、「クリスチャン・セネ」の銘柄もあって。そして、「ドノン・エ・ルパージェ」………………。
ざっとこんな風に、シャンパンをABC順に、銘柄を探して飲みくらべようという優雅なる集まりがあったんだそうです。
ボオ・ブランメルは、十九世紀はじめのダンディ。ボオ・ブランメルは人にブーツの磨き方を問われて。
「シャンパンの初泡で……………」
と、答えたことがあるんだそうですね。
シャンパンが出てくる小説に、『ネヴァーモア』があります。フランスの作家、マリー・ルドネが、1994年に発表した物語。
「彼が早くも三杯目のシャンパンを飲んでいると、誰かに肩を叩かれる。」
「彼」とは、ウイリー・ボストという人物。『ネヴァーモア』には、こんな描写も出てきます。
「そこで薄いグレーの麻絹の背広と、それに合わせてブルーのシャツと赤紫色のネクタイを選ぶ。」
もちろんこれも、ウイリー・ボストの着こなし。「麻絹」と、訳されています。たぶん、シルク・リネンのジャケットなのでしょう。
同じ「麻絹」でも、混紡と交織とがあります。麻と絹とをブレンドするのか、縦横に使い分けるのか。
それはともかく、軽く、しなやかな、そしてわずかに野趣を想わせる布地に仕上がることでしょう。
それこそ、シャンパンを飲むにふさわしい上着であります。