ジュスティーヌとシルク・トラウザーズ

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ジュスティーヌは、小説の題名ですよね。作者は、英国のロレンス・ダレル。1957年、イギリスで発行されています。
「ジュスティーヌ」 J ust in e は物語に登場する戀多き女性の名前。語り手は「ぼく」こと、ダーリー。若き学校教師で、作家志望の英国人。
ただ、『ジュスティーヌ』の舞台背景は、アレキサンドリア。エジプトの街、アレキサンドリア。

「自由な古代ギリシア世界の象徴的な恋人たちにとって代わって、ここでは何か違ったもの、何か微妙に両性的なもの、自己倒錯したものが支配している。」

ロレンス・ダレルは、そんなふうに書きはじめています。
アレキサンドリアの名前が、アレキサンダー大王の名前に因んでいるのは、言うまでもないでしょう。
紀元前332年に、アレキサンダー大王によって築かれた都市なので。アレキサンダー大王亡き後、その部下であった、プトレマイオス一世が支配することに。プトレマイオス一世が心傾けてのが、知恵の都市。「知恵さえあれば都市は滅びることがない」と。
そこで世界中の書物がすべて蒐められることに。もっともその時代の書物は、多く羊皮紙だったでしょうが。貴重な書物は、専門家の手で、書き写されることも。とにかく国家権力を駆使して書物を蒐めるわけですから、夥しい数の書物が。一説に七十万部とも。おそらく当時としては、「アレキサンドリア図書館」は最大規模であった、と。ただし、今は消滅して、見ることはできませんが。
誰にとっても「世界中のすべての書物を蒐める」のは、夢物語でしょうね。
まあ、今は、一冊の『ジュスティーヌ』がありますので。この中に。

「近くで見ると彼らは紫のマントに、刺繍した短衣と細い絹のズボンをまとっていた。」

これは、騎兵隊の制服を眺めている場面。
シルク・トラウザーズですか。憧れますね。
絹の、細いズボンで。私のジュスティーヌを探しに行くといたしましょう。

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