エスカルゴとワラチ

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エスカルゴは美味しいものですね。
もちろん、食用のエスカルゴ。エシャロットとかガーリックをバターに添えて、天火で熱する。それを専用のトングと小さなフォークとで、食べる。天然のエスカルゴは葡萄の葉を食べて育つ。ということはワインがよく合うのも当然でしょう。
エスカルゴが大好きだったのが、ファルグ。フランスの詩人、レオン・ポール・ファルグ。
ファルグは1917年の『パラード』に賛同したひとりでもあります。『パラード』は、前衛バレエ劇。脚本が、ジャン・コクトオ。音楽が、エリック・サティ。美術と衣裳が、パブロ・ピカソ。この『パラード』が問題となった時、大いに応援したのが、レオン・ポール・ファルグなんですね。
その昔、パリのレアールに「静かな神父」というビストロがあった。「静かな神父」のエスカルゴをこよなく愛したのが、ファルグ。自分の一皿一ダースを、すぐに食べて。エスカルゴの苦手な相客の残りも、あっさり片付けたという。
1943年の4月。ファルグはピカソと食事を。この食事中に倒れて。1947、静かに世を去ったのです。
ピカソが『アルルカン』を描いたのは、1915年のこと。
1915年12月13日に生まれたのが、ロス・マクドナルド。ロス・マクドナルドが、1963年に発表したのが、『さむけ』。この中に。

「男は自分の足を見下ろした。ウアラーチェスをはいている。」

これはたぶん、「ワラチ」huarache のことでしょう。正しくは、「ワラーチ」。ふつう日本語ではワラチと呼ぶことが多いようですが。これは革で編んだサンダルのこと。
さて、ワラチを履いて。エスカルゴを食べに行くとしましょうか。

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