長崎チャンポンとスェーター

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長崎チャンポンは美味しいものですよね。
ラーメンに似て、ラーメンではないもの。そうも言えるのかも知れませんが。
長崎チャンポンは、スープ仕立てで、食べる。これが揚げそばになりますと、「皿うどん」。これもまた、長崎名物であります。
明治三年。長崎の外人居留地には、515人の異人がいたんだそうです。このうちの338人が中国系だったとか。そして明治四年には、447人に殖えています。これでは中国料理が日本に伝えられたのも、当然でしょうね。つまり、日本での中華料理は、明治の長崎からはじまったと考えて、それほど大きな間違いではないでしょう。
麺のように細長くはしないで、皮にして包むやり方もあります。餃子、焼売、雲呑。
雲を呑むと書いて、雲呑。言い得て妙とはこのことですね。雲呑を口に含むと、なんだか雲が入ってきたみたいで。

「脂に濁った白い汁に浮くワンタンを息を吹き吹き食べる。うまい。塩味もちょうどいい。」

松本清張の『日記』に、そのように出ています。昭和五十八年五月二十六日 ( 木 ) のところに。場所は、中国、上海。松本清張はこの時、密教を調べるために、中国を訪れているのです。
また、昭和六十年九月には、スコットランドへ。これは巨石文化の調査のために。
スコットランドではシェットランドにも足を伸ばしています。

「島の第二の都市スカラウェイのローレンス・J・スミス店に行き、シェットランド産羊毛の手織りセーターを買う。いわゆる「船乗り用」という毛深い厚着用。毛は油をはじくので船員が好む。値段は高い。」

九月十九日 ( 木 ) の『日記』の一節。たぶんこれは未脱脂の、フィッシャーマンズ・スェーターのことなんでしょう。
なにかスェーターを着て。長崎チャンポンを食べに行くとしましょうか。

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