レストランとネクタイ

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レストランとは、とびきり美味しい料理を愉しませてくれる場所のことですよね。
レストラン。とびきり美味しい料理。そうなると忘れてならないのが、エスコフィエでしょう。その昔、フランスで天才料理人と謳われた偉人ですね。オーギュスト・エスコフィエ。
オーギュスト・エスコフィエは、1846年10月28日。南フランス、ニースに近い、ヴィルヌーヴ・ルーベに生まれています。
オーギュスト・エスコフィエがはじめて料理を作ったのは、十歳くらいの時。オーギュスト少年はある時、おじいちゃんの家で留守番。当時のことですから、炉をきってあって、その火を絶やさないように、見張るわけです。
そのとき、オーギュストは「ブルース」があるのに気づいた。「ブルース」は、羊の乳から造られるフレッシュ・チーズのこと。オーギュストはパンを炉で焼いて、ブルースを塗った。

「私はこのチーズトーストを、コップ半杯分の甘口ワインといっしょに敬虔な気持ちで賞味した。」

『エスコフィエ自伝』に、そのように書いてあります。もっともエスコフィエが料理人として働きはじめるのは、十三歳の時ですから、当然といえば当然でしょうが。
セザール・リッツが、モンテ・カルロの「グランド・ホテル」を一任されるのが、1883年のこと。リッツがまず行ったのは、エスコフィエを料理長にすることだったんですね。
1883年に発表されたのが、『女の一生』。もちろん、ギイ・ド・モーパッサン。これが大人気となって。とにかく、たちまち二十五版を重ねたと言うのですから。『女の一生』の中に。

「幾重にも巻いた柔かいネクタイが、特別に威厳をつくった美しい栗色の髪の頭を、きちんとおこしているように強制した。」

これは、ラマール子爵の着こなし。
さて、ネクタイを結んで。姿勢を正して。とびきり美味しい料理の、レストランに行くとしましょうか。

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