アンジェラとアノラック

アンジェラは、女の人の名前にもありますよね。
ふつうAngela と書いて「アンジェラ」と訓むことが多いようですが。
たとえば、アンジェラ・ランズベリー。
アンジェラ・ランズベリーはイギリス生まれのアメリカ女優。
2020年10月11日に、九十六歳で人生の幕を下ろしています。
1945年のアメリカ映画『ドリアン・グレイの肖像』にも出演しています。「シヴル・ヴェイン」の役で。
シヴィル・ヴェインは女優という設定になっているのですが。
『ドリアン・グレイの肖像』の原作が、オスカー・ワイルドであるのは、言うまでもないでしょう。
1890年『リピンコット・マガジン』7月号に発表された名作。

「ああ、彼女はとても恥ずかしがり屋で、すごく優しい人だよ。僕が演技の感想を言ったら驚いてかわいらしく目を見張っていた。自分の本能にまるで気づいていないみたいだった。」

ここでの「彼女」が、シヴィル・ヴェインであるのは、言うまでもありません。
オスカー・ワイルドは作家であると同時に、戯曲家でもありましたから、当時の英国の俳優については、詳しかったに違いありません。
つまり、十九世紀末のイギリスに、シヴィル・ヴェインに似た女優がいた可能性はあるでしょう。
また、ここでの「僕」は、ドリアン・グレイを指しているのですが。
アンジェラが出てくる小説に、『タナスグ湖の怪物』があります。
1974年に、イギリスの作家、グラディス・ミッチェルが発表したミステリ。

「走っているうちに、アンジェラ・バートンが最後の、そして最期の散歩で歩いた道をたどってみようと決めていたのだ。」

また、『タナスグ湖の怪物』には、こんな描写も出てきます。

「彼女はドアを開け、アノラックのポケットを探ってマッチを取り出した。」

これは今は使われていない狩猟小屋でのローラの様子として。
少なくともローラが怪物探検に、アノラックを着ていたことが窺えるでしょう。
アノラックanorak は、もともとグリーンランドのイヌイットの民族衣裳。
たいていはアザラシの毛皮で作られる上着。寒い地方なのでフードが付くのが特徴になっています。
たとえば1924年の「チェンバーズ・ジャーナル」にも、「アノラック」の言葉が用いられています。
「マクラク」mukluk と共に。
「マクラク」は、オットセイの毛皮製のコートのことなのですが。
英国の作家、ハッチンソンが1934年に発表した物語の中に。

「ビーズを飾ったアノラック」

そんな一節が出てきます。
これはグリーンランドの女性用のアノラックなのですが。
どなたかビーズ飾りのあるアノラックを仕立てて頂けませんでしょうか。