トラフルとトーク

トラフルは、トリュッフのことですよね。
truffle と書いて「トラフル」と訓みます。
フランスでは。
イタリア語なら、「タルトッフォ」。
フランスのトラフル、イタリアのタルトッフォは、似て非なるもの。
フランスのトラフルは主に、黒トリュッフ。
イタリアのタルトッフォは、ほとんどが白トリュッフなんですね。
フランスでは黒トリュッフが高く評価され、イタリアでは白トリュッフが高く評価される傾向にあります。
これも好みの問題なのでしょう。
トリュッフの香りだけを競べますと、白トリュッフの方が強い。そうは言えるでしょうか。
嗜好品という点では、日本の松茸にやや近いものかも知れません。
古代ギリシアでも、「トリュッフは健康に良い食材」だと考えられていたという。
古代ギリシアの時代からトリュッフは知られていたのでしょう。
十九世紀、フランスの美食家、ブリア・サヴァランは、
「トリュッフは台所のダイヤモンド」と言っております。
栽培できるものではありませんから、たしかにダイヤにも似ているのかも知れませんね。
ごく簡単な目玉焼きの上に、白トリュッフを粉雪のようにかけて食べるのは、粋なものであります。
トリュッフが出てくる小説に、『ナナ』があります。
1879年に、フランスの作家、エミイル・ゾラが発表した長篇。

「どうでせう、例のとほりトラフルが欲しいものですね……」

これはジュリアンがナナに語る科白として。
また、『ナナ』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「白い羽根飾りの附いた青いトークを髷の上にかぶつてゐた。」

これはロンシャン競馬場にあらわれたナナの帽子として。
「トーク」toque は、男女ともにかぶる、縁なし帽。
この場合の「トーク」は、騎手のそれに似せてあるのですが。
どなたか白い羽根飾りのあるトークを作って頂けませんでしょうか。