ブッサクとブレテル

ブッサクは、地名にもありますよね。
Boussac と書いて「ブッサク」と訓みます。
フランス中部の静かな町。人口ざっと千人というのですから、村と呼んでも間違いではないでしょう。
名所の一つは、ブッサク城。プティットクルーズ川に沿って立つ古城。
十五世紀に織られたと伝えられるタペストリー「貴婦人と一角獣』があることでも有名でありました。
ただし二十世紀になってからは、巴里の「クリューニ美術館」に移されているのですが。
ブッサクが出てくる小説に、『ジャンヌ』があります。
1844年に、フランスの作家、ジョルジュ・サンドが発表した長篇。
『ジャンヌ』は、新聞小説。
1844年4月25日から、6月2日まで連載されています。
巴里の「コンスティテュシオネル」紙に連載された人気小説。
同じ年にベルギーのブリュッセルで、海賊版が出たほどに。
主人公は、ジャンヌ。ブッサク城のあるベリー地方の、羊飼いの美少女という設定になっています。

「この壁掛けは、今なお、ブッサク城で目にすることができるが、ズィズィムによりオリエントからもたらされ、彼が囚われの身であった長い間、ブルガルヌの塔に飾っていたと推測されている。」

ジョルジュ・サンドは『ジャンヌ』の中に、そのように書いています。
これは言うまでもなく、1844年当時の話なのですが。
タペストリー自体は、現存していません。また、ジョルジュ・サンドは、『貴婦人と一角獣』は、十五世紀のもので、おそらくオービュッソンで織られたものだろうと、想定しています。
当時は城tも関係する、ギヨーム・ド・ブッサクなる人物がいた。そうも書いているのですが。
『ジャンヌ』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「一度ならず地面まで滑り落ちて、手の皮を擦りむき、ズボンつりを壊し、彼についていけない犬を絶望させながら、」

これは「マルシヤ」という青年が、ブッサク城近くの丘に登ろうとする場面。結局は丘の頂上に立つのですが。
ここでの「ズボンつり」。たぶんブレイシーズのことでしょう。
フランスなら、「ブレテル」bretetelles 。
どなたか1844年のブレテルを再現して頂けませんでしょうか。