ロミオとジュリエットは、有名ですよね。もちろんシェイクスピアの、悲劇。『ロミオとジュリエット』の初演は、1595年頃と考えられています。
『ロミオとジュリエット』は、1562年に出た『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』が下敷きになっているんだとか。『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』は、イタリアの詩人マッテオ・バンデルロの詩が原作。それを英国人、アーサー・ブルックが翻訳。シェイクスピアはたぶんこの英訳版に目を通したんでしょうね。
そんなことから物語の背景は、イタリア、ヴェローナになっている。今、ヴェローナに行くとジュリエットが住んでいたという家が遺っていて、観光名所のひとつになっていますよね。
宿敵の娘と、宿敵の息子とが、恋愛。これは悲劇としての永遠の主題でしょう。たとえば、『ウエストサイド・ストーリー』もそうですね。というよりも『ウエストサイド・ストーリー』は、『ロミオとジュリエット』のアメリカ版、現代版として生まれているわけですから、当然のこと。
『ウエストサイド・ストーリー』で、演出と振付けを担当したのが、ジェローム・ロビンス。ジェローム・ロビンスはある時、学生と話をしていて、『ロミオとジュリエット』の現代版を思いついたという。
『ウエストサイド・ストーリー』は、1957年9月26日。NY、「ウインター・ガーデン劇場」で、初演。732回の公演となったそうです。
1957年4月11日に世を去ったのが。F・W・クロフツ。七十七歳。そのクロフツが1955年頃に書いた短篇に、『小包』が。
「彼はいつもきまって、ツイードの服を着て、ホンブルグ帽をかぶっていた。」
これは、スチュアート・ハスラーという人物の着こなし。
ホムブルグを被って、ロミオを気取ってみるとしましょうか……。