ココアは美味しいものですよね。
身体が温まるし。健康にも役立つそうですし。
ココアがとてもお好きだったのが、子規。俳人の、正岡子規ですね。
「牛乳五合 ココア入り 小菓数個」
明治三十五年九月二十三日の「日記」にそう書いてあります。
これは午前中の話。午後に。
「間食 牛乳五合ココア入り ココア湯 菓子パン小十数個 塩せんべい一、二枚」
と、出ています。つまり、一日に何杯もココアを飲んでいる。「牛乳ココア入り」というのは、まあ、分かります。でも、「ココア湯」とは。牛乳を使わないココアなんでしょうか。もしかすると、子規の発明なんでしょうか。
明治三十五年は1902年のことで。その翌年の1903年に。ウイリアム・キャドバリーは、アフリカのサン・トーメ島に出かけています。ココアの原料がどのように栽培されるのかを、確かめるために。
1903年に生まれたのが、森 茉利。森 茉利の短篇に、『金色の蛇』があります。この中に。
「角を円く裁ったカラの、淡いブルウのシャツに濃紺の背広、同じ色のサテンのネクタイを無造作に結び………、
これは「ジェニ」という愛称の美少年の着こなし。たぶん「ラウンド・カラー」なのでしょう。
なにかラウンド・カラーのシャツで、ココアを飲みに行くとしましょうか。