四月と題につく歌に、『パリの四月』がありますよね。
🎵 私は春の魅力を知らなかった このパリの四月に触れるまでは………
たしかそんな歌詞があったかと。エドガー・イップ・ハーバーグ 作詞。ヴァーノン・デュークの作曲。
1931年のミュージカル『ウォーク・ア・リトル・ファスター』の挿入歌。『パリの四月』が好評だったので、1953年には映画にもなっています。
『パリの四月』は、サラ・ヴォーンが歌って、絶唱。エラ・フィッツジェラルドも、完璧。ルイ・アームストロングと丁々発止。
ところで、作曲のヴァーノン・デュークは、ロシア人。1903年に、ロシアに生まれています。アメリカに移ったのが、1920年のこと。1920年代にはロンドンで成功。1929年にふたたびアメリカに。
四月にはもうひとつの名曲があって、『エイプリル・ラヴ』。ポール・フランシス・ウエブスター 作詞。サミー・フェイン 作曲。1957年のヒット曲。
1957年に刊行されたのが、『ドクトル・ジバゴ』。ボリス・パステルナークの作。この中に。
「赤の笹縁の入った高価な毛皮外套の前をはだけ、その下に新調のサージの背広を着こんでいた。」
と、あります。これは鉄道技師の、フフルイギンの着こなし。「毛皮外套」の横に、「シューバ」とルビがふってあります。
シューバ shuba はロシアでよく着られるファー・コートのことです。