インドは、コットンの国ですよね。
ちょうど「マドラス」の言葉があるように。
その昔、インドのマドラス港から輸出された生地なので、「マドラス」の名前があります。
もっとも今の地名では「チェンナイ」になっているのですが。
インドはまた、カレーの国でもあります。
「カレー」curry は、英語。これを世界中に広めたのは、イギリス人。
その昔インドはイギリスの植民地だったので。
カレーの語源はポルトガル語の「カリル」だったとの説があります。
「カレーは、肉、魚、または野菜から作られる。」
1841年に、英国人、ロバート・フラワー・リッデルが著した『インドの家政とレシピ』に、そのように出ています。
つまり1830年代からすでに「カレー」の言葉が用いられていたのでしょう。
昭和四十二年に、インドを旅した作家に、三島由紀夫がいます。9月26日に羽田空港を発って、まずはボンベイに着いているのですが。
約一カ月の間、インドを廻っています。三島由紀夫、四十二歳の時に。
「大統領にはニューデリーの官邸で會ひました。」
三島由紀夫は昭和四十二年の会談で、そのように語っています。
ここでの「大統領」は、当時のインディラ・ガンジーだったのですが。
三島由紀夫が、昭和二十九年に発表した短篇に、『鍵のかかる部屋』があります。この中に。
「一人のインバネスを著た老人が、彼のすぐそばへ腰かけて、謡いをうなりはじめた。」
そんな文章が出てきます。これは電車の中での話として。
インバネスは、日本語。英語の「インヴァネス」
inverness から出ています。
もともとは旅用の外套。
共地のケープが袖代りにもなってくれるもの。
また、和服の袖にも干渉しない形式だったので、たちまち流行になった経緯があります。
どなたか本格的なインバネスを仕立てて頂けませんでしょうか。