コンパスは、「ぶんまわし」のことですよね。
コンパス。昔の日本では「ぶんまわし」と言ったんだそうですね。
英語ではcompas と書いて「コンパス」。
たとえば円を書くのにコンパスを使うでしょう。
日本の脚があって。一方の脚を固定しておいて。
もう一方の開いた脚を回転させれば、簡単に円が書ける道具。
まことに重宝な文房具でありましょう。
「規は円を画く器具である。」
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』に、そのように説明されています。
「規」と書いて「ぶんまわし」と訓ませているのですが。
また「根発子」と書いて「コンパツス」のルビを添えてもいます。
これはたぶんオランダ語の「コンパッソ」から出た日本語なんでしょう。
少なくとも江戸期にコンパスが用いられていたのは間違いないでしょうね。
「
コンパスや物差しを持つて来て寸法の比例を取つたりしたが、鏡が使つてあるだけにこの仕事は静物などの場合のように簡単でない。」
大正九年に、寺田寅彦が書いた随筆『自画像』にそのような一節が出てきます。
もちろん寺田寅彦が自画像を画こうとして、苦心している様子。
寺田寅彦はある時、山本 鼎著の『油絵のスケッチ』を読んで、突然、油絵が画いてみたくなって。
コンパスが出てくる小説に、『パラディーソ』があります。
1960年にハバナ生まれの作家、ホセ・レサマ=リマが発表した長篇。
「彼は、アレードのバビロニア的な座席クッションと同じ距離のところから、コンパスを黒い砂浜へと投げた。」
これは「アレード」という男の仕種として。
また『パラディーソ』を読んでいますと、こんな描写も出てきます。
「ご主人様が料理自慢の姐さんに入れあげてプレゼントするようなシュルカの蝶ネクタイ締めて闊歩したりする。」
ここでの「シュルカ」は昔巴里にあった名店のことかと思われるのですが。
「蝶ネクタイ」は、スペイン語で、「コルバータ」
corbata でしょうか。
どなたか1960年代のコルバータを作って頂けませんでしょうか。