グランド・ピアノは、大きなピアノのことですよね。
ふつうのアップライト型よりも大きなピアノ。
枕さえあれば上で寝られるくらいの大きさがあります。
グランド・ピアノはただ大きいだけでなく、音の拡がりに優れているんだとか。また、その余韻が美しいピアノでもあるそうです。
「力學的なグランド・ピアノのかはりに、桐の木目の色もやさしい琴が置かれて、」
川端康成が、昭和五年に発表した随筆『純粹の聲』に、そのような一節が出てきます。
これは宮城道雄の『春の海』の演奏を観た印象として。
宮城道雄の『春の海』を聴いて感動したひとりに、
ルネ・シュメーがいます。ルネ・シュメーはフランスのヴァイオリニスト。
ルネ・シュメーは、「ぜひ、演奏してみたい」。
宮城道雄に異論のあるはずもなく。
ルネ・シュメーは宿泊先の帝国ホテルで、一晩で編曲したという。
ルネ・シュメーは、日比谷公会堂で、演奏して大好評だったとのことです。
宮城道雄は以前、瀬戸内海を船で旅したことがあって。その時の波の様子を盛こんで、『春の海』が生まれたとのことです。
宮城道雄は七歳で、失明。八歳で、琴の道に進むことに。
十一歳で、免許皆伝。十三歳の時、お父さんを頼って、中国に渡っています。
十四歳で、『水の変態』を作曲しています。
中国で宮城道雄の琴を聴いたのが、伊藤博文。宮城道雄の後援を約束したという。
余談ではありますが。宮城道雄の尺八演奏も、なかなかのものであったと伝えられています。
えーと、グランド・ピアノの話でしたね。
グランド・ピアノが出てくる小説に、『箱型カメラ』があります。
ドイツの作家、ギュンター・グラスが、2008年に発表した物語。
「それは違うよ、兄さん、あれは正真正銘グランドピアノの残骸だったよ。」
ギュンター・グラスの『箱型カメラ』は、自伝的小説になっています。この中に。
「鹿の角や貝から造られたもの、七宝細工や銀のボタンなんかだ。」
これはボタンを眺めている場面。
ボタンは、ドイツ語で「クノプフ」knopf 。
どなたか鹿の角のボタンが付いた上着を仕立てて頂けませんでしょうか。