ゲルとボリバル

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ゲルは、移動式の家のことなんだそうですね。たとえばモンゴルなどでは、今でもゲルがあるとか。
ゲルはまず外枠を組んで。その上から「中綿」のあたる部分を張る。で、その上から毛皮の覆いを重ねて、完成。まあ、言うほどに簡単ではないでしょうが。時に、「パオ」とも呼ばれたりするらしい。では、ゲルの中で何を食べるのか。ジンギスカン。もちろん勝手な思い込みではありますが。ただ、モンゴルで羊をよく食べるのは、ほんとうみたいですね。

「僕は秋の食べもののレパートリーにジンギス汗鍋を入れている。」

池部 良著『天丼はまぐり鮨ぎょうざ』に、そんな文章があります。今から60年ほど前、池部 良ははじめ「ジンギス汗鍋」を食べた。それが、秋だったそうです。
あるTVドラマで、木暮実千代と共演。その時、「ジンギス汗鍋」を食べに行くように言われて。それというのも、木暮実千代の伯母様が、荻窪で「ジンギス汗鍋」の店をはじめたので。その店は、ゲルのしつらえになっていたという。
池部 良の『天丼はまぐり鮨ぎょうざ』を読む限り、鉄兜式の鍋で羊を焼くのはどうもこの店がはやかったらしい。
ジンギスカンが巴里にあるのかどうか。ゾラの『居酒屋』には、「ジンギスカン」が出てきます。エミール・ゾラ著『居酒屋』は、1877年1月末に刊行されています。

「ふたりはバチニョル大通りでは、小さな焜炉にかけて出す臓物のジンギスカン料理を食べに行った。」

「ふたり」とは、クーポーと、ランチエのこと。また、『居酒屋』にはこんな描写も。

「エナメルの靴とボリヴァル型の帽子とはまだ役にたった。」

これは結婚式に何を着ようか、算段している場面。シモン・ボリヴァルは、南米コロンビアの英雄、政治家。このシモン・ボリヴァルが好んだ帽子なので、その名前があります。
ボリヴァル・ハットは、トップ・ハットとボウラーを足して二で割ったようなスタイル。やや低いヤマが平らに作られている帽子のことです。

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