カミュは、フランスの作家ですよね。アルベール・カミュ。1913年、アルジェに生まれています。アルジェといえば、イヴ・サンローランの生まれた場所でもあります。
アルベール・カミュの小説に、『異邦人』があります。『異邦人』は映画にもなって。『異邦人』で主役を演じたのが、マルチェロ・マストロヤンニ。『異邦人』をはじめとして、『転落』などもあって。おそらくは一度や二度、カミュの著作に読みふけったことがおありでしょう。なにしろ1957年のノーベル賞作家なのですからね。
アルベール・カミュは、1960年1月4日の午後、死去。四十六歳でした。その時、カミュは郊外に出ていて、パリに帰る道での交通事故で。
運転していたのは、ミッシェル・ガリマール。大手出版社、ガリマールの幹部。車は買ったばかりの、「ファセル・ヴェガ」。タイヤがパンクして立木に衝突しての、事故。今なお、ほんとうの原因は定かではありません。そのために事故に見せかけての陰謀があったのではとの、憶測もあるようですが。
カミュを評価した作家に、三島由紀夫がいます。
「カミュの文学は、「結婚」その他のエッセイの醍醐味で忘れがたいものになるだらう。」
三島由紀夫は『カミュの文学』と題して、そのように書いています。三島由紀夫は、1970に、四十五歳で、人生の幕を閉じています。
1960年。カミュが世を去ってまもなく。三島由紀夫は、映画に出演。『空っ風野郎』で、美事にアウトロウを演じています。その時の映画衣裳が、革ジャン。これはもうアウトロウの役ですから、ぴったり。
しかし、とここで思うのは。アウトロウ風の革ジャンを着る時、もっとも必要なのは、知性かも知れない、と。