マリアとマルトル

マリアは、女の人の名前にもありますよね。
Maria と書いて「マリア」と訓みます。
たとえば、マリア・カラスだとか。
マリア・カラスをはじめとして。世にマリアとつく名前の女性は少なくありません。
「マリア」のもとは、聖母マリアに由来しているのでしょう聖母マリアのことはあまりよく分っていません。でも、実在の人物だったのは、確か。
マリアのお母さんは、アンナだったという。
アンナは子供に恵まれないので、神に祈った。
その結果生まれたのがマリアだったとのことです。
マリアが生まれて六ヶ月目。アンナがマリアを立たせると。七歩歩いて母のところにやって来て。
マリアが三歳になった時、アンナはマリアを神殿に連れて行った。
マリアは誰に言われることなく、神に捧げる踊りを踊ったと伝えられています。
その後の九年間、マリアは神殿の巫女として、仕えたという。
ある時、ヨセフが神殿に呼ばれて。ヨセフに聖なる杖が与えられた。
杖からは白鳩が飛び立ち、ヨセフの頭に止まった。
それで神はマリアをヨセフの妻に選んだ。そんな伝説が遺っています。
その時、マリアは神殿に飾る布を織っているところだったのですが。
マリアが身籠った時、天からの声が聴こえてきた。
「マリアよ、生まれてくる御子には、イエスと名づけなさい。」
マリアが出てくる長篇に、『戦争と平和』があります。
もちろん、トルストイの名作。

「客たちは席を立って、老公爵に祝辞を述べた。令嬢マリアも父のそばへ歩みよった。」

ニコライ・アンドレーエヴィッチ公爵の令嬢がマリアという設定になっています。
また、『戦争と平和』には、こんな描写も出てきます。

「そこにはいぜんとして幸福そうな微笑をたたえたチェルケス人が、かわいい口髭をはやし目をかがやせて、黒貂の頭巾の下からこちらを見て掛けていた。」

ここでの「黒貂」が毛皮のひとつであるのは、言うまでもありません。
フランス語なら「マルトル」martre でしょうか。
どなたかマルトルの外套を仕立てて頂けませんでしょうか。