モンは、フランス語にもありますよね。
mon と書いて「モン」と訓みます。
「私」のこと。英語の「マイ」に近いのでしょうか。
「モナミ」は、「わが友」の意味になります。
名探偵、ポアロの口癖でもあること、ご存じの通り。
スコットランドのゲール語にも、mon はあるらしい。
「男」の意味。ただし、「マーン」に近い発音とのことですが。
日本には「門」がありますね。
聖書には、「狭き門より入れ」の言葉があるのは、言うまでもありません。
アンドレ・ジイドが1900年に発表した小説に、『狭き門』があります。聖書の言葉から題を得ているのは、もちろんのことです。
モンが出てくる小説に、『十三人組物語』があります。
オノレ・ド・バルザックが、1835年に発表した物語。この序文の中に。
「作者の気に入っている三つのエピソードを語りはじめることといたしたい。」
ここでの「作者」は、バルザック自身。つまり「私」のことから、話をはじめているわけですね。
バルザックの『十三人組物語』を読んでおりますと。
「彼は花模様のついた部屋着をまとい、白いメルトン織りのズボンをはき、足には厚地のスリッパをひっかけた姿で現れた。」
これは「フェラギュス」という男の様子について。
ここでの「メルトン」は、英語。
フランス語なら、「モレトン」molleton になります。
「メルトン」melto の英語は、1820年頃から用いられているもの。
これは英国、レイセスター州、メルトン・モーブレーの地名から出ています。
当時のメルトン・モーブレーは、有名な狩猟地。
狩猟服の生地として愛用されたので、その名前が生まれたものです。
イギリスの詩人、バイロンが1823年に発表した『ドン・ジュアン』にも、「メルトン・ジャケット」の言葉が出てきます。
どなたかモレトンの上着を仕立てて頂けませんでしょうか。