スローモーションとスリーピース

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スローモーションって、ありますよね。スローモーションはよく映画なんかにもあります。たぶん、その場面を強調したいからなんでしょう。小説でいいますと、傍点に近いものかも知れませんが。
映画のスローモーションは、撮影の時に、早回しのフェルムを使う。それをふつうに映写すると、スローモーションに観えるんだそうです。
たとえば、1969年の西部劇に、『ワイルドバンチ』がありまして。この中のスローモーション場面が話題になったものであります。『ワイルドバンチ』は、「最後の西部劇監督」と呼ばれた、サム・ペキンパーの映画。
スローモーションは、小説の題にもあって。たとえば、佐藤多佳子の物語。『スローモーション』は、まあ、ひと言で言って、「少女小説」。
主人公は高校一年の、柿本千佐。千佐のお兄さんが、一平。一平は事故がもとで、歩き方がゆっくり。で、「スローモーション」なんですね。
スローモーションが出てくるミステリに、『オールド・ディック』。L・A・モースが、1981年に発表した物語。とにかく主人公の探偵、ジェイク・スパナーは、オン年78歳というのですから、面白い。

「頭のなかでは風のように走っているつもりだったが、他人の眼にはスロー・モーションのパントマイムのように見えることはわかっていた。」

まあ、78歳ですから、そういうこともあるんでしょう。また、『オールド・ディック』には、こんな描写もあります。

「その男は、黒のスリーピースのスーツに、純白のワイシャツ、黒のストライプのネクタイ………………。」

これは、探偵の知人、サル・ピッコロという人物の着こなし。黒の、スリーピース・スーツですか。たまにはいいかも知れませんね。
とりあえず、スリーピース・スーツで、スローモーションのある映画を観に行くとしましょうか。

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