ポテトは、馬鈴薯のことですよね。もちろん「ジャガイモ」と書くこともあります。
ポテト・サラダは大好物。時に、ポテト・チップス。同じひとつの材料で、料理にもなり、また菓子にもなってくれるありがたい食材であります。
晩飯 粥三碗 泥鰌鍋 キャベツ ポテトー 奈良漬 梅干 梨一ツ
明治三十四年の、正岡子規の日記に、そのように出ています。『仰臥漫録』九月十九日のところに。
正岡子規は、「ポテトー」と書いているのですが。では、この日の朝飯はどうだったのか。
粥三碗 佃煮 奈良漬
では、昼飯は。
冷飯三碗 堅魚ノサシミ 味噌汁サツマイモ 佃煮 奈良漬 梨一ツ 葡萄一房
正岡子規は結構、健啖家だったみたいですね。
「楽屋に三益・柏・香山等が遊びに来たので、ポテトパイを買はせて食い、いろいろ話す。」
昭和九年の『古川ロッパ昭和日記』に、そんな一節が出てきます。「ポテトパイ」。どんな菓子だったのでしょう。
ポテトが出てくる紀行文に、『ベルン人の生活』があります。大内兵衛が、昭和二十四年に発表した随筆。もちろん、スイスに旅しての印象。
大内兵衛は、偉大な経済学者であった人物ですね。
「このターブル・ドートはスープと肉の一皿、それにたくさんのポテトーとトマトその他の野菜を盛ったサラダ、それにアイスクリームまたはお菓子かチーズである。」
これはスイス、ベルンでのレストランの定食について。だいたい、チップ入れて5フラン前後だとも書いています。日本円の1000円くらい。
さすがに経済学者だけに、物価について詳しく説明しているのですが。
「これも木綿、ポプリン、レイヨンとあるが、たいてい十五フランから三十フランまでであり、二十フランならば、日本では、はずかしくて着られない程立派である。」
これはシャツ屋での見聞として。
「ポプリン」poplin は横畝の美しい生地。シャツにも最適です。
どなたかポプリンのシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。