パエリアは、スペイン料理のひとつですよね。炊き込みご飯というのは、ちょっと乱暴でしょうか。
専用の大鍋を使って、手早く仕上げる一品。paella
と書いて「パエリア」と訓むんだそうです。もともとは薄いフライパンのことを「パエリア」。それがいつの間にか、料理の名前になったんだそうですね。
昭和二十七年に、スペインでパエリアを召し上がった画家に、堂本印象がいます。
「パエチャと云うこめの飯に小さな貝を殻ごと野菜や小海老をまぜて汁で煮た特有のものである。」
堂本印象の紀行文『マドリッド』に、そのように書いています。堂本印象は「パエチャ」としているのですが、たぶんパエリアのことかと思われます。
堂本尚郎と一緒にスペインを旅した作家に、檀 一雄がいます。昭和三十五年に。堂本尚郎は、堂本印象の甥。やはり、画家。
「私は仏人ミシェル・タピエのシトローエンに便乗して、堂本尚郎画伯夫妻と、パリからまっすぐスペインに南下した。」
檀 一雄の紀行文『スペインの蟹の足』に、そのように出ています。
「………カタツムリが一皿九ペセタ。邦貨に換算して八十円見当だ。「サルツエラ」や「パエリヤ」が三十五ペセタだから、三百円見当だろう。」
そんな文章も出てきます。
また、檀 一雄の『スペインの蟹の足』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。
「………スペイン男子の細いズボンと、腰高の尻の揺れが格別珍しく思われた。」
「腰高の尻」。羨ましい。これはひとつには、ズボンの股上とも関係があります。
深い股上のことを、「ハイ・ライズ」high rise と言います。適度にハイ・ライズのズボンを腰を高く見せてくれるものです。
どなたか適度にハイ・ライズのトラウザーズを仕立てて頂けませんでしょうか。