ボニーとスーツ

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ボニーはふつう、女の子の名前ですよね。
映画の『ボニー・アンド・クライド』とか。ボニー・パーカーが、女の子。クライド・バロウが、男の子。
ボニーを演じたのが、フェイ・ダナウエイ。クライドを演じたのが、ウォーレン・ビーティ。
でも、ボニーが男を指す場合もあって。たとえば、『マイ・ボニー』。この場合の「ボニー」は、ボニー・プリンス・チャーリーのことだと、考えられています。ボニー・プリンス・チャーリーこと、チャールズ・エドワード・ステュアートは、十六世紀に人気のあった皇太子。「ボニー」 bonnie は北イングランドでは「美男子」の意味であったそうです。
『マイ・ボニー』は、スコットランドの古い民謡。これをロックにして歌ったのが、トニー・シェリダン。で、『マイ・ボニー』が、ヒット。この時、トニー・シェリダンのバック・バンドだったのが、後のビートルズなんですね。
『マイ・ボニー』は、日本でもスリー・ファンキーズが歌ったりも。
ビートルズと、後にマネージャーとなるブライアン・エプスタインとがはじめて会うのも、1961年のこと。
もっともブライアン・エプスタインはレコード店の経営者でもあって。そのレコード店にビートルズが客として来ているのは、知っていたようですが。
ブライアン・エプスタインが正式にマネージャーとして契約するのは、1962年1月24日のこと。「まっとうな大人」で、ビートルズの音楽を認めた最初の人物だったかも知れませんね。
しかし。ブライアンとしてはビートルズにひとつだけ、注文があった。それは、服装。ロックンローラーの服装ではなく、ポップ・スターの服装にしてもらいた、と。
それで1962年からは、ビートルズはスーツを着ることになるんですね。その意味ではビートルズを創ったのは、ブライアン・エプスタインだった、ということになるのでしょう。
さて、お気に入りのスーツ着て。『マイ・ボニー』のレコードを探しに行くとしましょうか。

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