ヴァレンティノとキッド

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ヴァレンティノで、俳優でといえば、ルドルフ・ヴァレンティノでしょうね。イタリア生まれの映画俳優。
1919年の『可愛い子悪魔』に出演して、たちまち人気者に。ルドルフ・ヴァレンティノは「美男俳優」という言葉のために生まれてきた人物でした。美男中の美男。ハンサムの二乗。もう形容するのに疲れてしまうくらいの男前でした。
一方、1920年代のハリウッド男優でとびきりの洒落者だったのが、ルドルフ・マンジュー。ダンディの中のダンディ。とにかく較べる者のいない、いつも不戦勝の第一位。1920年代の「マンジュー」は洒落者の代名詞だったものです。

「私は、ただ私なりの伝統、ルールといったものを持ち、それを忠実に守り、実行したに過ぎない。」

アドルフ・マンジュー著『私のおしゃれ哲学』の中で、そんなふうに書いています。なるほど。スタイルの完成には、「伝統」と、「ルール」とが必要なんですね。
1924年。アドルフ・マンジューは、『結婚哲学』に出演。ルドルフ・ヴァレンティノは、『ボルケーノ』に出演。
1924年にフランスで生まれたのが、カトリーヌ・アルレー。もっともカトリーヌ・アルレーについてはいくつかの生年説があるようですが。カトリーヌ・アルレーが1982年に発表したのが、『死神に愛された男』。このなかに。

「イギリスから直輸入の生地できちんと仕立てたミつ揃いを着て、オーダーメードのキッドの靴をはき………」

これはイタリア貴族の、アルド・ロレンツィの姿。「キッド」は、仔山羊革のことですね。昔はよく使われたものです。
もちろん、ヴァレンティノやマンジューもキッドの靴を履いたことでしょう。

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