アステアにあったことのある日本人がいるんだそうですね。
アステアは、もちろん、フレッド・アステア。そのフレッド・アステアに会ったのは、武市好古。
武市好古は、映画が好きで、ジャズが好きで、競馬が好きだった人。では、武市好古、どこで、どんなふうにして、フレッド・アステアに会ったのか。
それは1986年11月1日のことだったそうです。
アメリカ、ロサンジェルス、「サンタアニア競馬場」で。武市好古はTVの取材で、この競馬場に、観戦に。
この日の競馬は大きな行事で、いろんな有名人も来ていたらしい。たとえば。ローズマリー・クルーニー、バート・バカラック、エリザベス・テイラー、ケイリー・グラント………。
で、第三レースが終わった時。広報担当者が武市好古に言った。
「アステアが来てるのよ。」
特別室に。そこで武市好古はとくにお願いをして、フレッド・アステアと握手することができたんだそうですね。
武市好古は、1935年のお生まれ。1935年のミュージカル映画といえば、『トップ・ハット』。1935年、夏の終わりに『トップ・ハット』公開されて、大好評。
🎵 ヘヴン、アイムイン、ヘヴン………
『チーク・トゥ・チーク』は今も名曲として、歌いつがれていますよね。
1935年に発表されたミステリに、『三幕の殺人』が。いうまでもなく、アガサ・クリスティー。もと俳優だったチャールズ・カートライトが出てくるので、そんな題がつけられているんでしょう。この中に。
「チャールズはみるからに逞しい日焼けした中年の男で、古い灰色のフランネルのズボンに、白いセーターという服装だった。」
いいなあ、白いスェーター。なんかこんな恰好で、アステアの映画を探しに行くとしましょうか。