ローズとポンポン

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ローズ rose が薔薇であるのは、いうまでもありませんよね。一説に、薔薇の歴史は人間の歴史よりも、古いんだとか。
少なくとも紀元前六世紀には薔薇があったようです。古代ギリシャの女流詩人、サッフォーが薔薇の詩を詠んでいるので。やはりレスボス島に生まれた哲学者で、植物学者の、テオプラストスの、『植物誌』にも多くの薔薇が紹介されています。白薔薇もあり、ピンクの薔薇もあり。ただこの時代には、黄薔薇は存在していなかった。
イエローのローズは、1900年になってから。フランスのベルネという人が創った。それ以前にも、赤系と白系の薔薇はあった。けれども、黄系の薔薇は存在しなかった。黄系が生まれることによって、大きく色数が殖えることになったのです。
フランスのベルネ家と競合していたのが、ギョウ家。ギョウ家とベルネ家は、あまり仲がよくなかった。
1920年頃。クロージュ・ベルネと、マリイ・ギョウとが、恋愛。でも、両家は、結婚に反対。そうこうするうちに、クロージュは第一大戦に出て、戦死。
マリイは嘆き、哀しんだ。で、マリイは、ギョウ家の薔薇と、ベルネ家の薔薇とを交配させて、新種を。それが、「フォーリー・ベルゼル」になったのです。
この話は、川端康成著『東京の人』に出ているのですが。また、こんな描写もあります。

「昭男は額をこすりながら、目をつぶると、弓子の帽子のボンボンがゆれてゐた。」

「ボンボン」は、日本語。「ポンポン」 pompon は、英語。帽子のてっぺんにつく丸い房飾りのことですね。タモシャンターなどにもつくことがあります。

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