ルネサンスは、ヨーロッパ中世の文藝復興のことですよね。
renaⅰssance と書いて、「ルネサンス」と訓みます。
「故き佳き時代を見直そう」ということ。その意味では日本の「温故知新」にも相通じる考え方でもあるのでしょう。
「ルネサンス」そのものは、フランス語。でも運動そのものはイタリアにはじまっています。それがやがてヨオロッパなどに広まったものなのです。
ルネサンスと少なからず関係しているのが、「メディチ家」。もともとはフィレンツェの富豪ですね。
メディチ家の富によって、ルネサンスが支えられた一面があることは、否定できません。
では、メディチ家にはどれくらいの富があったのか。さあ。
ただし、当時のメディチ家の年収は分っています。
高階秀爾の『ルネッサンス夜話』に、詳しく出ています。
たとえば、1457年のメディチ家の収入。どうしてそれが分っているのか。
フィレンツェのその時代にも、「申告」の制度があったので。これは当時「カタスト」の名前で呼ばれたという。
フィレンツェでは、1430年にはじまっているとのこと。
1457年といえば、コジモ・メディチがまだ存命だった時代ですね。
その収入は、12万2千数百フロリン。これはあくまでも実質的収入として。
今なら百二十億ほどなのでしょうか。
そしてまた、フィレンツェの富豪はなにもメディチ家だけではありません。
「ベンチ家」があり、「ルチュライ家」があり、「クァラテージ家」があり、「パッツイ家」がありました。
その外にも多くの富豪が存在していたのです。
これらの財閥が、仮に一割でも、藝術注がれていたなら、天文学数字になっていたのではないでしょうか。
では、当時のフィレンツェの高官の服装はどうだったのか。
1590年に、イタリアの研究家、チェザーレ・ヴェチェッリオが著した『西洋ルネッサンスのファッションと生活』が、良い手引書になってくれます。
「市政に携わる要人たちはルッコと呼ぶ服を着ている。
」
著者のチェザーレ・ヴェッチェリオは、そんなふうに書いてあります。
ここでの「ルッコ」lucco は、今のジャケットにも相当するものでしょうか。
このルッコは総裏仕立てになっていたという。
また、ルッコの下には、「ソッターナ」sottana を重ねた、とも。内衣。今日のシャツにも近いものだったのでしょうか。
これらの衣裳には、凝った、豪華な素材が使われたらしい。
ルネサンス期が出てくる小説に、『テレビジョン』があります。
1991年に、フランスの作家、ジャン=フィリップ・トウーサンが発表した物語。
「ルネサンス期の巨匠が描いた若者の肖像画よりも、」
これはTVのニュースキャスターの話をしている場面でのこと。
また、『テレビジョン』には、こんな描写も出てきます。
「ドロンはぼくの隣に座り、サングラスの裏で微笑を浮かべながら、」
ここでの「ドロン」は、主人公の奥さまの愛称。
サングラス。フランスなら「ルネット・ド・ソレイユ」
lunettos de sollⅰe でしょうか。
どなたか本鼈甲の昔のルネット・ド・ソレイユを作って頂けませんでしょうか。