ストオヴは、暖房器具のことですよね。
寒い時期に部屋を暖めてくれる道具。
stove と書いて「ストオヴ」と訓みます。
英語での「ストオヴ」は1456年頃から用いられているんだとか。
古代英語の「ストーファ」stofa と関係があるという。
「ストーファ」はもともと「暖められた部屋」の意味であったという。
今、英語で「ストーヴ」というと、大型調理器具を指すことが多いとのこと。
日本でいうストーヴは、「ヒーター」になるらしい。
フランスでのストーヴは、「ポワール」。ロシアでは、「ペチカ」になるんだそうですね。
ひと口にストーヴと申しましても、いろんな種類があるのでしょう。
私の古い記憶にあるのは、「ダルマストーヴ」。丸い、ダルマのような形なので、「ダルマストーヴ」。
鉄製のダルマストーヴの中に、薪などを入れて燃やす。仮に真冬であっても、汗ばむほどの温度になってくれたものです。
昼前にアルミの弁当を乗せておくと、温かい昼飯にありつけたものであります。
日本でのストーヴは、安政三年(1856年)にはじまるとの説があります。
当時の箱館で。箱館港に英国船が入って来て。奉行所の役人が見回りに。その船の中にストーヴがあった。
これはまこと便利なものと。役人は町の鍛冶屋に似たものを作らせたそうですね。
日本製のストーヴは、明治九年頃から作られるようになったとのことです。
「寒中は夜間外出するなとか、冷水浴もいゝがストーブを焚いて室をあたたかにしてやらないと風邪を引くとか。色々の注意があるのさ。」
夏目漱石の『吾輩は猫である』に、そんな一節が出てきます。
これは静岡のお母さんからの手紙の内容として。
ストーヴが出てくる随筆に、『燕尾服着初め記』があります。
明治三十三年に、徳冨蘆花が書いた文章。
「さき程よりストオヴの暖氣、ヴァイオレットの香り、嬌紅艶紫の色、」
これは帝国ホテルでの大宴会の様子。
実際には明治三十二年十一月三日のことだったのですが。
徳冨蘆花はこの宴会に出るための燕尾服をお兄さんに借りるという内容になっています。
「小生の古つゞらに貯ふる処は僅にスコッチの背広が一領、」
徳冨蘆花の『燕尾服着初めの記』に、そのように書いてあります。
ここでの「スコッチ」が、トゥイードであるには、言うまでもないでしょう。
スコッチ・トゥイードを短くして、「スコッチ」なんですね。
どなたかスコッチのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。