アンナは美しい名前ですよね。たとえば、アンナ・パヴロワ。ロシアに生まれた伝説のバレリーナですね。
アンナ・パヴロワはバレリーナになるために生まれてきたような繊細な身体つきでもあったそうです。
アンナ・パヴロワ絶世の踊りは、『瀕死の白鳥』。観る者みな、アンナを白鳥の化身と信じたという。
白鳥の化身は1931年に、死去。肺炎をこじらせて。アンナ・パヴロワの死後も『瀕死の白鳥』は公演されて。生前のアンナの動きに合わせて、スポットライトが照らされて、拍手喝采となったそうです。
アンナで、美人で。そうそう、アンナ・カレーニナ。もちろんトルストイ原作の『アンナ・カレーニナ』の女主人公。
1927年の『アンナ・カレーニナ』でアンナ役が演じたのが、グレタ・ガルボ。もっとも1927年の無声映画の原題は、『ラヴ』。どうして『ラヴ』の題にしたのか。
ガルボの相手役は、ジョン・ギルバートで。これを宣伝する時。「ジョン・ギルバート&グレタ・ガルボ・イン・ラヴ」とした。これは、「ギルバートとガルボは恋愛中」とも読めるわけで、映画会社としてはそこを狙ってのことだったのでしょう。
1927年の『ラヴ』で、グレタ・ガルボは主演女優賞を得ています。
また1935年にも、『アンナ・カレーニナ』が作られています。もちろん、グレタ・ガルボの主演で。これはトーキー映画だったのです。それにしても、アンナ・カレーニナ役のガルボははまり役だったものと思われます。
1935年に発表された小説に、『英国が私をつくった』があります。言うまでもなく、グレアム・グリーンの名作。この中に。
「片手を襟にあげて、ネクタイの曲りを直した ( 出身校がそれと分るスクール・タイ である ) 。」
これは物語の主人公の様子。スクール・タイとも、「クラブ・タイ」とも呼ばれるネクタイのことですね。グレアム・グリーンの『英国が私をつくった』には、何度かクラブ・タイの話が出てきます。