アーサーとアルスター

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アーサーは、よくある人の名前ですよね。たとえば、アーサー・ペンとか。アーサー・ペンは、アメリカの映画監督。1967年の映画、『俺たちに明日はない』は、今も記憶に遺っています。
アーサーは男の子の名前だけでなく、女の子にも使われるみたいで。ひとつの例を挙げるなら、アーサー・キット。アメリカの、女性の、ジャズ歌手であります。
アーサー・キットで想い出すのは、『証城寺の狸囃子』を、1955年に歌ったことでしょう。『証城寺の狸囃子』は、もちろん日本の童謡。「証城寺」は、「證誠寺」などと書くこともあるようですが、野口雨情の作詞。中山晋平の作曲。
この『証城寺の狸囃子』を、アーサー・キットは日本語で歌って、拍手喝采。アメリカ人歌手が日本語で歌った例としては、比較的はやいものかも知れませんね。
アーサーという人が出てくる小説に、『ポール・ペニフェザーの冒険』があります。これは1928年に、イーヴリン・ウォーが発表した物語。余談ですが、アーサー・キットは1927年のお生まれだったようです。

「ブルゴーニュの白ワイン、アーサー・ポッツの重厚な目があり……………………。」

アーサー・ポッツは主人公の友人という設定。ところで著者、イーヴリン・ウォーのお父さんの名前が、アーサー・ウォー。なにか偶然すぎるようにも思えるのですが。『ポール・ペニフェザーの冒険』の中に。

「ポッツがアルスター外套に身をつつみ、小さな手さげかばんをさげてクロイドン空港にいたのである。」

「アルスター外套」はもちろん、アルスター・コートのことでしょう。アイルランド、アルスター地方にはじまる、両前の、旅行用コート。
さて、アルスター・コートを着て、アーサー・キットの古いレコードを探しに行くとしましょうかね。

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