サイモンとサンローラン

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サイモンといえば、「サイモン&ガーファンクル」でしょうね。1966年に。『サウンド・オブ・サイレンス』が、拍手喝采となりましたね。ポール・サイモンと、アート・ガーファンクルの二人組。
1968年には、『スカボロー・フェア』。とにかく信じられないほどに、流行りました。
アメリカ人で、サイモンはもうひとりいまして。ニール・サイモン。喜劇を書かせてはちょっと右に出る者いない脚本家であります。代表作は、『おかしな二人』でしょうか。これは芝居としても大当りで、映画でも大当りとなっています。
ニール・サイモンの自伝、『書いては書き直し』に、やはり喜劇俳優の、ジェリー・ルイスのことが出てきます。

「彼の靴下とセーターは、たいていがカシミヤだったが、すべて赤だった。」

これはむかし、ニール・サイモンが、ジェリー・ルイスの自宅を訪ねた時の様子。とにかくヴェルサイユ宮殿くらいのクローゼットがあって、百人分くらいの、自前の服が並んでいたという。
その時、ジェリー・ルイスは、自前の服の中から、カシミヤのスェーターと、それに合う靴下とプレゼントしてくれて。

「気前のよさでは、ジェリーの右に出る者はいないだろう。」

ニール・サイモンは、そのように書いています。その日を手はじめとして、以来、プレゼントの嵐だったという。
サイモンが出てくるミステリに、『闇の天使』があります。英国のジャック・ヒギンズが、1995年に発表した物語。

「今日は防諜局副長官のサイモン・カーターとルパート・ラングにもきてもらう予定だ。」

これはイギリスの首相の科白なんですね。そうかと思えば、こんな描写も出てきます。

「濃紺のバーバリーのトレンチコートを脱いだ。下はイヴ・サンローランの洒落たグレーのフランネルのスーツに青いシルクのシャツ、濃紺のネクタイという装いである。」

これは物語の主人公、ショーン・ディロンの着こなし。
せめてサンローランのタイを結んで、「サイモン&ガーファンクル」のレコードを探しに行くとしましょうか。

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