バーガンディは、ワインのことですよね。もちろん、フランス、ブルゴーニュのワイン。多くアメリカで用いられる言葉であります。
どうしてブルゴーニュが、バーガンディーなのか。B urg ogn e と書いて、「ブルゴーニュ」。これが少し綴りが違いますと、B urg undy。ならば当時、「バーガンディ」と訓みたくなってくるのでしょう。
ブルゴーニュのワインについて、神秘的な物語を書いたのが、アイルランドの作家、キアラン・カースン。2001年に発表した『シャムロック・ティー』の中の、「ブルゴーニュ・ワインの赤」と題して、不思議な話を語っています。
「宮廷に点在する噴水からはブルゴーニュ・ワインが湧き出していました。」
これは中世の、ブルゴーニュ宮廷でのこと。1430年2月8日。フィリップ公と、イザベル王女との婚礼の日に。
噴水からブルゴーニュ・ワインが。ワイン好きにとっては夢のような話でありますが。
ブルゴーニュ・ワインがお好きだったお方に、ストラヴィンスキーがいます。
「夕食は白のバーガンディ一本、ボルドー赤ワイン一本、最後のシャンペン一本で洗い流される。」
ロバート・クラフト著『友情の日々』に、そのように出ています。1949年7月1日の記録として。ロバート・クラフトはストラヴィンスキーの側近でもあり、指揮者でもあった人物。
1951年10月。ミュンヘンで、『エディプス王』のリハーサル途中で写された、ストラヴィンスキーの写真があります、この写真を見る限り、ストラヴィンスキーはキャメルと思しきコートを羽織っています。片前のラグラン・スリーヴ、ターンバック・カフ。脇ポケットは、ハッキング・ポケット。やや斜めにセットされたフラップ・ポケットのことです。
なにかハッキング・ポケットの付いた上着で、美味しいワインを飲みに行きたいものですね。