猫とネクタイ

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猫がお好きだったお方にフジタがいますよね。フジタ。もちろん、偉大なる画家、藤田嗣治であります。世界で評価された数少ない画家であります。
藤田嗣治は猫がお好きだっただけでなく、猫の絵も多く描いています。では、藤田嗣治、どうして猫とのつきあいがはじまったのか。

「盛り場から夜遅くパリの石だたみを歩いての帰りみち、
フト足にからみつく猫があって、
不憫に思って家に連れて来て飼ったのが
1匹から2匹、2匹から3匹となり、
それをモデルの来ぬ暇々に眺め廻し描き始めたのがそもそものようです。」

藤田嗣治著『巴里の昼と夜』に、そのように書いています。
随筆といえば。丸谷才一に、『猫のつもりが虎』がありますよね。丸谷才一はこの随筆集の中で、ネクタイについて大いに語っているのです。そのぜんぶをここに紹介したいくらいなのですが。

「多くの政治家が、黒か濃紺の背広を常用するのは、日常的に冠婚葬祭の行事に追われているからである。ネクタイの地味なのもそのためだ。」

これは「読売新聞」の渡辺恒雄の言葉なのですが。
ということは、もしも私たちが政治家でないのなら、代議士諸氏のようなネクタイを締めなくてもすむわけです。少なくとも政治家と洒落者のネクタイは、違ってて良いはずでしょう。
フジタは画家でありましたから、自分の結ぶネクタイはぜんぶ自分で作っていました。女性のドレス用の生地を買ってきて。
なにか自分らしいネクタイを結んで、フジタの画集を探しに行くとしましょうか。

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