クックで、英國人で、船長でといえば、キャプテン・クックでしょうね。
ジェイムズ・クックは、1728年10月27日、イギリスに生まれています。お父さんはスコットランド人だと伝えられています。
ジェイムズ・クックは航海家で、冒険家。ニュージランドの地図を、はじめて作ったのも、ジェイムズ・クックだったのです。というよりも、当時の英國では、ニュージランドやオーストラリアについては、ほとんど知られてはいなかった。
ニュージランドが実は「大きな島」であることを発見したのも、クック船長でありました。
クック船長は、1769年にボラボラ島を、「エンデヴァー号」で発って、さらに航海を続ける。8月9日に。1769年8月末には。英國のプリマス港を出発してから、ちょうど一年が経っていました。
そこで船員たちは、黒ビールとチャシャー・チーズとで、航海一年目を祝ったという。
それからさらに一月が過ぎて。1769年10月はじめ、ニュージランドを発見。これはマストに登っていた、十二歳の少年、ニック・アダムズが見つけたと伝えられています。
クック船長が出てくる小説に、ディケンズの『荒涼館』があります。
「クック船長の最期や、シナの画家が描いたシナの茶の湯の作法の絵やらを見つめていました。」
『クック船長の最期』は、有名な絵画です。
『荒涼館』には、多くの紳士が出てきます。が、皆、手袋を嵌めています。グラヴを。十九世紀の英國紳士に欠かせないもの。それは、グラヴだったのです。季節に関係なく、手を人目に晒すことは、はしたないことだったから。
帽子と同じように、せめてただ持つだけはしたものなのです。
もちろん航海中のクック船長も、紳士の証しとしてグラヴを嵌めていたことでありましょう。