MGMは、アメリカの映画会社ですよね。「メトロ・ゴールドウイン・メイヤー」の頭文字で、MGM。
1920年代のMGMを象徴する女優は、やはりガルボでしょうか。スゥエーデンに生まれた美貌の主、グレタ・ガルボ。
1927年にグレタ・ガルボが主演したのが、『アンナ・カレニナ』。ロシアの文豪、トルストイ渾身の名作。『アンナ・カレーニナ』の映画化。
1927年11人29日。ニューヨークの「エンパイア劇場」で、プレミアム。新聞紙はこぞって『アンナ・カレニナ』を絶賛。結局、ガルボの美貌が最上だったということなのですが。
MGMは1927年に、約4,900万円の製作費を投じて、約1億4、000万円の売上を達成しています。
「ヘラルド・トリビューン」のリチャード・ワッツ・ジュニアも、賞賛。
「ガルボは類い稀なる魅力に満ちている。」
リチャード・ワッツ・ジュニアは、1937年にもう一度『アンナ・カレニナ』を見直して、こう述べた。
「映画、演劇の別なく、これほどの美と壮厳をもたらし、現世においてわれわれに与えられる理想的な美しさの幻想に最も近いものをもたらした女優は、ガルボをおいていない。」
まあ、美女というのも、これくらい褒められると、さぞかし気持いいもんでしょうね。
MGMが出てくるミステリに、『非情の日』があります。1972年に、ジャック・ヒギンズが発表した物語。
「MGMはあれ以上いい映画を作れなかったろうよ」
これは、元英国情報部の、サイモン・ヴォーンの科白。また、『非情の日』には、こんな描写も出てきます。
「実業家に好まれるダークブルーの、ダブルのメルトン・オーバーコートのポケットに………………。」
これは、ビニーと呼ばれる人物の着こなし。メルトンは、もともとハンティング・コート用の素材だったもの。メルトン・モーブレーに由来する、極厚の生地。
なにかメルトンのコートを羽織って。現代のガルボを探しに行くとしましょうか。