メグレとディナー・ジャケット

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メグレといえば、ジョルジュ・シムノンですよね。「メグレ警視」が生まれたのは、1930年のことなんだそうです。『刑事』に登場するのが、最初。
ジョルジュ・シムノンはその頃、船に乗って旅をしていた。「オストロゴス号」で。この船の上で、パリが舞台のミステリを仕上げたわけです。
ジョルジュ・シムノンが1947年に発表したのが、『メグレと殺人者』。このなじゃに。

「少なくともこれらのカフェの二つで、彼は≪シュズ・シトロン≫ を注文しています、いつもそれを飲んでいたかのように。」

「シュズ・シトロン」は、スーズをレモン・ソーダなどで割った、軽い飲み物。スーズ suze は、リキュール、薬草酒。
スーズが生まれたのは、1889年のこととか。フランス人の、フェルナン・ムローと、アンリ・ポルトとが考えたもの。
「スーズ」はフェルナン・ムローの義妹、シュザンヌの愛称からと、伝えられています。スーズはゲンチアナという植物の根が原料で、健胃作用があるんだそうですね。
スーズが出てくるミステリに、『裏切りの紋章』が。1990年に、ドナルド・ジェイムズが発表した物語。

「そこの木陰で、リンドウから作った食前酒のスーズを一杯、あるいは数杯、やるのが伯爵夫人の日課だった。」

また、こんな描写も出てきます。

「マーティンは初めて作ったディナー・ジャケットに袖を通した。もう十五になっていたから、毎年自分が主催する盛大なクリスマス・イヴの晩餐には相応の格好をすべきだと、ピエールがいったのである。」

マーティン・コブルグは、物語の主人公。ピエールはそのおじいさんという設定。
十五歳から着ていれば様にもなるでしょう。
ディナー・ジャケットを着て、メグレを気取ってみましょうか。

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