泡盛とホイップコード

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泡盛は沖縄の地酒ですよね。
泡盛の造り方は十四世紀に、シャム ( 今のタイ ) から伝えらたんだとか。
もちろん泡盛は沖縄ならではの酒で。昔むかし、中国への献上品としても用いられたそうです。
江戸時代にはすでに本土でも知られていたという。もっともその時代には、「琉球酒」の名前だったそうですが。
泡盛は、蒸溜酒。その意味では、ウイスキーやブランデーに似ているのかも知れませんね。酒を釜に入れて、下から熱を加えると、蒸気に。蒸気が冷えて液体になったのが、蒸溜酒。
これを古い言葉で、「蘭引」 ( らんびき ) 。蘭引はいわばエキスを取り出す方法であったのです。香水の作り方も、蘭引とよく似ています。
蘭引は、蒸溜器のこと。ポルトガル語の「アランビック」から、「蘭引」の言葉が生まれているんだとか。
その昔、錬金術師によってアラビアで考えられたので、「アランビック」の名前になったのでしょう。アラビアが物語の背景になるミステリに、『シバ謀略の神殿』が。1994年に、ジャック・ヒギンズが発表した小説。この中に。

「今日はカーキ色のズボンとシャツに、くたびれたフェルトのブッシュ・ハットという格好だった。」

これは主人公、ギャヴィン・ケインの着こなし。ルース・カニンガムという依頼人からの頼みで、冒険に出かけるところ。では、ルース・カニンガムの服装は。

「白いオープン・カラーのブラウスに、クリーム色のホイップコードのスラックスといういでたちだ。」

ホイップコード whipcord は、緻密で、丈夫な、綾織綿布。もともとは、ウール地だったそうですが。とくに乗馬ズボンには最適の生地とされたもの。十九世紀後半から広く愛用されていた生地。
白いホイップコードのズボンで。泡盛が飲めたら、最高でしょうね。

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