ルパンはもちろん、アルセーヌ・ルパンですよね。フランスのモーリス・ルブランが生んだ、名探偵。
ルパンとデュパン。どこか似ています。たぶんモーリス・ルブランの頭にも、「デュパン」のことが少しはあったと思います。
デュパンは、オーギュスト・デュパン。1841年にエドガー・アラン・ポオが創出した名探偵。デュパンはなぜか、フランス人貴族という設定になっています。
難事件が起きると、警視総監がデュパンに相談に来るというのですから、名探偵と言って良いでしょう。では、オーギュスト・デュパンは、どんな性格だったのか。
「どんなつまらないことにでも快楽を見出す。彼は謎を好み、判じ物を好み、秘密文字を好む。」
『モルグ街の殺人』の中に、そんなふうに書いています。よく、「問うに落ちず語るに落ちる」と言います。実は、これ、ポオ自身のことでもあったようですね。
ポオが1843年に発表した『黄金虫』に、秘密文字が出てきます。というよりも、この暗号が事件を解く鍵になっています。
1903年にコナン・ドイルが発表した『踊る人形』は、『黄金虫』に想を得ているのでは、との説もあります。
エドガー・アラン・ポオは1849年10月7日に世を去っています。ボルティモアで。ただしポオがなぜ死んだのか。今なお秘密に包まれたままです。
ボルティモアといえば。ボルティモアの、フレンドシップ空港が開かれたのが、1962年のこと。
1962年、NYで生まれた作家が、リック・ムーディ。リック・ムーディが1994年に発表したのが、『アイス・ストーム』。この中に。
「フッドは手入れよいサーモンピンクのボタンダウンのシャツを肩にひっかけ、落ちていた襟芯をポケットに押し込んだ。」
ベンジャミン・フッドは有名校の生徒という設定。「ボタンダウン」は当然でしょう。「襟芯」には、「カラーステイ」のルビがふってあります。もしかすればシルヴァーのカラー・ステイかも。
襟にカラー・ステイを入れて。ルパンの本を探しに行くとしましょうか。