ジャガいもと霜降り

ジャガいもは、ポテトのことですよね。
potato と書いて「ポテト」と訓みます。もっとも英語式なら「ポテイトオ」になるのかも知れませんが。
フランス語では、「ポンム・ド・テエル」。「大地のリンゴ」と表現するんだとか。
でも、なぜ「ジャガいも」なのか。
これはもともと「ジャガタラいも」と呼んだらしい。1600年頃、長崎に伝えられて。それが、「ジャカルタからの野菜」と誤解されて。それで、「ジャガタラいも」となって。後に短くなって、「ジャガいも」になったんだとか。
ジャガいもの原産地は、南米ペルー。紀元前七千年頃から栽培されていたというから、古い。
その時代には土地の人によって「パパ」papa と呼ばれていたらしい。
ペルーからスペインに運ばれたのは、1570年頃のこと。
オランダから英国に伝えられたのは、1590年頃のことであるらしい。
フランスへのジャガいもは、1600年頃だと信じられています。
つまり、ジャガいもについては、フランスと日本、ほぼ同じ時期だったことになるのでしょうか。
フランス料理のひとつに、「アッシ・パルマンティエ」があります。これはポテト、ビーフ、オニオンを重ねた、まるでケエキみたいな一皿。
でも、どうして「パルマンティエ」なのか。
これは十八世紀の医者であった、アントワーヌ・オーギュスタン・パルマンティエの名前に因んでいます。
パルマンティエは当時フランスの貴族に、ポテトを食べることを薦めたお方なので。
パリのメトロにも「パルマンティエ駅」があります。これもまた、パルマンティエに肖ってのことなんだそうですね。
ジャガいもが出てくる短篇に、『創作衝動』があります。
英国の作家、サマセット・モオムが、1926年に発表した物語。

「彼らの頭は精神的な事柄がいっぱいで、羊肉のローストが生焼けであろうち、ジャガいもが冷めていようと構わない。」

これはアルバート・フォレスターのサロンでの様子として。
では、主人のアルバート・フォレスターはどんな恰好なのか。

「いつでも同じ型の霜降りのズボンに黒い上着、グレーのネクタイを小さな真珠のピンで留めていた。」

「霜降り」。英語なら、「ペパー・アンド・ソルト」でしょうか。
どなたか霜降りのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。