ゴッホについては、説明要りませんよね。ヴィンセント・ファン・ゴッホ。
今はもう買うことのできない絵を描いた画家。そうも言えるでしょうか。
その買えない絵のひとつに、『ガシェ医師の肖像』が。1890年の作品。ガシェ医師は当時ゴッホが診てもらっていた医師。『ガシェ医師の肖像』ができあがった時、ガシェ自身はそれを見て、言った。
「ゴッホ君、素晴らしいじゃないか。もう一枚描いてくれ。」
弟のテオを別にすれば、ゴッホ生前のゴッホの絵を認めた数少なくひとりだったかも知れませんね。
ガシェ医師に診察してもらった後、ゴッホはテオに手紙を書いています。
「ガシェ医師は私や君と同じように、まったく病的で神経質に、私には思える。」
ゴッホはゴッホなりに、ガシェ医師を診断していたのでしょう。『ガシェ医師の肖像』は、ゴッホなりの「診断書」だったわけですね。
一時期ゴッホと一緒にアルルで暮らした画家が、ゴーギャン。ポール・ゴーギャン。その後、ゴーギャンは楽天地を求めて、タヒチへ。
ゴーギャンが世を去ったのが、1903年5月8日。
1903年の英国で出版されたのが、『南イタリア周遊記』。イギリスの作家、ジョージ・ギッシングの旅行記。このなかに。
「南イタリアの町はどこでもそうだが、散髪屋の多さは驚くほどだ。」
これは十九世紀末の、南イタリアの様子なんですね。
さて、散髪をして。ゴッホの画集を探しに行くとしましょうか。