スズキとシルク

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スズキもまた出世魚なんだそうですね。
ヒカリゴ、コッパ、セイゴ、フッコ、そしてスズキになるんだとか。
昔、平 清盛が熊野権現に参拝したときの話なんですが。
三重の、安濃津 ( あのうつ ) から舟を出して、旅に。この時、スズキが舟に飛びこんできて。「これは吉兆なり」と、清盛大いに喜んだという。
少なくとも平安の頃からスズキは食卓にのぼることがあったのでしょう。時代は下って、江戸期に。松江あたりの漁師は、スズキを灰の中で蒸し焼きにして、食べることがあったらしい。
松江には趣味人、不昧公というお方がいらして、お殿様。その不昧公が「スズキの蒸し焼きが食べてみたい」と。これはこれは畏れ多いこと。まず奉書のお包みしてから、蒸し焼きにして、献上。
これが松江名物、「スズキの奉書焼」のはじまりなんだとか。
スズキが出てくるミステリに、『サイレント・ジョー』があります。T・ジェファーソン・パーカーが、2001年に発表した物語。この中に。

「本日のスペシャルは蒸したチリ産スズキのこりあんだ・ソースあえ、エンダイヴのサラダ、それからガーリックとマッシュルームのクスクスとなっております。」

これは「グローヴ」というレストランでの様子。保安官の、ジョー・トローナーと、カール・ルパスキーとが食事をしているところ。また、こんな場面も。

「ネイビー・ブルーのスーツにシルバー・ブルーのシャツ、同じくシルバー・ブルーのシルクのネクタイ。時計はローレックスか……」

これはジョン・ゲイリンという男の着こなし。ということは、シャツとタイが同じ生地なんでしょうね。
さて、なにかシルクのシャツを着て。スズキを食べに行くとしましょうか。

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