夜は愉しいことがいっぱいある時間ですよね。
夜を歌った歌もいくつかありまして。すぐに思い出すところでは、『夜も昼も』があります。もちろん、『ナイト・アンド・デイ」ですよね。
「夜も昼も、近くにいても遠く離れていても、ひたすらあなただけを想う………」
そんな歌詞の、恋の歌。『ナイト・アンド・デイ』は多くの歌手によって歌われています。女性では、アニタ・オディとか。男性では、フランク・シナトラとか。むしろシナトラのオハコ、そんな印象があるのかも知れませんが。
1930年代。若い頃のシナトラの憧れは、ビング・クロスビー。なんとかクロスビーのように歌いたいものだ、と。
その時代、「メイジャー・ボウズ・オリジナル・アマチュア・アワー」というラジオ番組があって。要するに「素人のど自慢」なんですね。1935年、このラジオ番組に出て、見事優勝したのが、フランク・シナトラ。シナトラがその時に歌ったのが、『ナイト・アンド・デイ』。
『ナイト・アンド・デイ』はもともとミュージカルの挿入歌。1932年の『ゲイ・ディヴォース』。コール・ポーターがフレッド・アステアのために作った曲。つまり『ナイト・アンド・デイ』を最初に歌ったのは、フレッド・アステアだったんですね。
1932年に生まれたのが、五木寛之。五木寛之の随筆、『スペインの墓標』に、靴の話が出てきます。『スペインの墓標』は、ヨーロッパ紀行記になっているのです。
「この柔かいかわの室内履きは、とてもはき心地がよくて重宝している。基本がしっかりしている靴だと感心した。」
これはミラノで買った靴の話。チェザーレ・パチョッティの靴について。
自分好みの靴で。夜の街を歩いてみましょうか。