ウインクは、瞬きのことですよね。
ことに片方の眼だけを、上手に、瞬かせると、なにかの合図になったりも。
人生を変えたウインク。そう言って良いのか、どうか。その主人公は、オードリー・ヘップバーン。
オードリー・ヘップバーンが、オーディションを受けたことがあります。1951年のこと。場所は、ハリウッドで。パラマウント映画の。もちろん、『ローマの休日』に出演するのか、しないのか。
オーディションに立ち会ったのは、ハロルド・ディッキンソン。英国の映画監督。これはオードリーの希望だったという。
オーディションで読む台本は、寝室の場面。最初の、王女がベッドでひとりでいるシーン。王女はカメラの方向にゆっくりと振り向く。
この時、台本にはないはずのウインクをヘップバーンは、した。
それで、というわけではありませが。ヘップバーンの落ち着きぶりが周りの人びとに、深い印象を与えた。結果として、「ウインクで人生が変わった」と、言えなくもないでしょうね。
『ローマの休日』といえば、ヴェスパを想い浮かべます。『ローマの休日』がヴェストの流行に拍車をかけた一面もあるでしょう。ヴェスパが出てくるミステリに、『死を招く料理店』があります。
「ブルネッティの一ニ五型ヴェスパのような、渋滞向きで………」
ブルーノ・ブルネッティは、ローマの私立探偵という設定。ブルネッティはローマ市内の移動に、ヴェスパを愛用しているわけです。また、こんな場面も。
「白靴をはき、白麻のスーツを着こみ、おかしなボルサリーノをかぶっている。」
これは、ロレンツォ・フェッレリの着こなし。ロレンツォは、レストラン評論家なんですね。レストラン評論家であれば、もちろん服装も大切なんでしょうね。