ジョイスとジョドパーズ

ジョイスは、ジェイムズ・ジョイスのことですよね。
二十世紀最高の作家の一人であるのは、言うまでもないでしょう。
ジェイムズ・ジョイスは、1882年2月2日に、アイルランドのダブリンに生まれています。
そして1941年1月13日に、スイスのチューリッヒで世を去っています。
五十八年の生涯だったわけです。
ジョイスは代表作の多い作家でもあるでしょう。
『ダブリナーズ』があり、『若き芸術家の肖像』があり、『フィネガンズ・ウエイク』があるのですから。
さらに忘れてならないものに、『ユリシーズ』がありますね。
『ユリシーズ』は、1922年2月2日、巴里で刊行。
出版したのは、シルヴィア・ビーチ。
巴里の書店「シェイクスピア・アンド・カンパニー」の経営者だった、シルヴィア・ビーチによって。
1922年2月2日。ジェイムズ・ジョイスの三十二回目の誕生日だったのは、言うまでもありません。
「シェイクスピア・アンド・カンパニー」の開店は、
1919年11月19日のこと。
当時の巴里では英語の本を並べた珍しい書店だったのですね。
また、買うだけでなく、借りることもできる本屋だった店。
1926年に、ジョイスの『ユリシーズ』を読んだ、イタリアの作家が、アルベルト・モラヴィア。
フィレンツェのトルナブオーニ通りの古本屋で買って。
アルベルト・モラヴィアがよく旅した国に、インドがあります。
モラヴィアは当時のネルー首相にも会っているとのこと。

「インド首相は詰えり風の白絹の服をまとい、ジョドプアーズという乗馬ズボンをはいていた。上着の胸のボタン穴にはみずみずしい赤いばらの花を一輪差していた。」

モラヴィアの『自伝』に、そのように出ています。
「ジョドパーズ」jodhpurs は、インドで生まれた乗馬ズボンのこと。
十九世紀のはじめ、インド、ジョドプール駐在の、英国将校が穿きはじめたので、その名前があります。
どなたか白絹のジョドパーズを仕立てて頂けませんでしょうか。