古書と古服

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古書に目のない人もいますよね。人の趣味も様ざまで。
とにかく古い時代の、古い書物を蒐めるのに、情熱を傾ける人物。古書愛好家。彼の人生はただひたすら古書を蒐集することにあるのでしょう。
古書愛好家にとって垂涎の的であるのが、ヘイ・オン・ワイ。ヘイ・オン・ワイは、英国、ウエールズに位置する、静かな町。近くにワイ川が流れているので、ヘイ・オン・ワイ。ヘイ・オン・ワイの人口は、ざっと1,500人ほど。1960年代までは、ほとんど忘れさられたに等しい存在だったのです。
ヘイ・ワイ・ワイは今や世界に冠たる古書の町になっています。「本を探すなら、ヘイ・オン・ワイに行くべし」と。
まずはじめにヘイ・オン・ワイに興味を持ったのが、リチャード・ブース。リチャード・ブース自身、古書愛好家だったのです。リチャード・ブースは1961年に、映画館を買う。昔、映画館だった建物が使われていなかったので。この映画館を、リチャード・ブースは古書店に変えて、成功。
1963年には、消防署を。もちろん消防署も、古書店に。
1971年には、ヘイ・キャッスルを買う。この城をまるごと古書店に。
1988年からは、毎年「ヘイ文学祭」が開かれて、おおくの人が集まるようになっています。このヘイ・オン・ワイが出てくるミステリに、『古書奇譚』があります。2013年に、チャーリー・ラヴェットが発表した物語。この中に。

「扉を勢いよく開けて店に入ると、新調のダブレットのから街道の埃をはらった。」

これは、バーソロミュー・ハーボトルという人物の様子。『古書奇譚』は、シェイクスピアの稀覯本を巡ってのミステリ。そんなわけで、話は突然、1592年のロンドンに翔ぶ。「ダブレット」は、中世の、男が着た、丈の短い上着のことですね。

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