フォートナム&メイソンと鞄

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フォートナム&メイソンは英国の老舗ですね。ロンドンの高級食料品店。ことに紅茶でよく知られてもいます。
「世界一のお菓子箱」というのが、ニック・ネームなんだとか。どうして、そう呼ばれるのか。イギリスのパブリック・スクールでのおやつは、「フォートナム&メイソン」で買っているからなんだとか。
フォートナム&メイソンのはじまりは、1707年のこと。ウイリアム・フォートナムと、ヒュー・メイソンとによって出発。最初はロウソク専門店であったとか。
フォートナム&メイソンがヴィクトリア女王の御用達となるのは、1836年。これはフローレンス・ナイティンゲールのために、大量のビーフ・ティーをフォートナム&メイソンから送らせたことから。
そのフォートナム&メイソンが、ハインツと取引するようになったのが、1886年のこと。アメリカの食料品会社、H・J・ハインツは、旅行でロンドンに。たまたまフォートナム&メイソンの前を通りかかって。すべての商品を納めることに。
そういえば。巴里、マドレーヌ広場にアウグスト・フォーションが店を開いたのが、1886年。もちろん今の、「フォーション」。
1886年は、日本の明治十九年。饗庭篁村が『当世商人気質』を発表した年でも。

「革提の中へ着替えの衣類と入用のものを少し詰め込みて馴染の髪結床へ預けおき……」

原文はもちろん正字、旧仮名遣いですが、現代文に改めさせてもらいました。そして「革提」には、「かばん」のルビは振ってあります。
それはともかく。好きな鞄の中に。好きなだけ、フォートナム&メイソンの食料品を詰めてみたいものですね。

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