ウイスキーとウイング・ティップ

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ウイスキーは魅力ある酒ですよね。まず第一に、あの色に惹かれる。そしてあのフレイバーには、抵抗しがたいものがあります。さらにひと口含めばたちまちにして、陶酔が。
ウイスキーを海に喩えることがあります。「金色の海」。ウイスキーのお好きな人は金色の海に溺れるまで泳ぎたいのでしょう。金の海ですから、氷山があるのも当然。もちろん、「ロック」であります。
ウイスキーを、whisky と書くのか、whiskeyと書くのか。これについてもいろんな説があるようです。「空ウイスキー」と「鍵ウイスキー」との違い。それぞれの語尾がskyであり、keyになっているので。
昔むかし、アイルランドでは「whisky」と綴った。それがスコットランドに伝えられて、「whiskey」になった。そんな説もあるらしい。
スコッチ・ウイスキーの歴史は、競合の歴史と関係があります。スコットランドとイングランドとの。
ごく簡単に言って、「ウイスキー税」の問題。イングランドはなんとしても「ウイスキー税」を頂きたい。スコットランドはなんとかして「ウイスキー税」を逃れたい。
そこでシェリーの古い樽に入れて、送った。「ウイスキーではありませんよ」と。すると、味が格段に美味しくなっていたんだとか。
イングランドはスコットランドに石炭を送るのを、止めた。スコットランドでは致し方なく泥炭を使うことに。これが「ピート香」のはじまりなんだとか。
もしイングランドの「ウイスキー税」がなければ、今のスコッチはなかったのかも知れませんが。
ウイスキーが出てくるミステリに、『帰らない日々』があります。1998年に、ジョン・バーナム・シュワルツが発表した物語。

「〈ファネリズ〉まで車を走らせて、ダブルのウイスキーをチェイサーで流しこもうとしていた。」

これは弁護士の、ドワイト・アルノーの空想なのですが。
ドワイト・アルノーは、どんな服装なのか。

「青いサマースーツに赤いネクタイ、黒いウイングチップの靴という格好………………」。

ウイング・ティップは、よくブローグなどに見られるデザインですよね。クラッシックなスタイル。
ブローグもまたスコットランドにはじまった靴で、実際にスコッチで磨く人もいるくらい。最後にワックスを伸ばす時、一滴のウイスキーを落とすわけですが。

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