ドラクロワとドーメル

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ドラクロワは、フランスの画家ですよね。「ロマン派の帝王」と謳われた才人であります。もちろん、ウジェーヌ・ドラクロワ。1798年、パリ郊外に生まれています。
ウジェーヌ・ドラクロワは、グリーンのジレがお好きだったらしい。それというのも、今に『緑のチョッキを着た自画像』が遺されていますので。これは現在、「ルーヴル美術館」所蔵となっています。ドラクロワ、1837年頃の絵。1937年だとするなら、ドラクロワが四十歳くらいのことになるのですが。
ドラクロワは、黒のフロック・コートを着て、黒のヴェルヴェット・カラー、黒のクラヴァット。そこに、緑のジレを着込んでいるのです。たしかに、黒と緑はよく映りますよね。
ドラクロワは絵はもちろんとして、日記をも遺しています。このドラクロワの日記を読むことによって、その時代のドラクロワの暮らしぶりの一端を窺うことができそうです。

「毎日毎日晩餐会がつづいて大困りだ。」

これは1852年2月20日、金曜日の日記。

「自分の部屋の煖炉のそばで食うひとりみの晩飯が惜しまれる。」

そんな風にも出ています。これが社交界の寵児、ドラクロワの本音だったのかも知れませんが。
ドラクロワの生き方に共感していたのが、三島由紀夫。なぜなら、三島由紀夫は『ドラクロワの日記』を、愛読していたそうですから。
三島由紀夫の長篇に、『幸福号出帆』があります。この中に。

「オペラの二枚目は、ドミールフレアーの濃紺に紅縞の入った瀟洒な服を着こなし、身もかるがると人ごみを分けて来た。」

「ドミールフレアー」は、ドーメル Dormeuil となにか関係があるのでしょうか。「ドーメル」は、舶来生地の銘柄ですよね。
「ドーメル」は、1812年、ジュール・ドーメルによって、巴里ではじまっています。その後、1866年には倫敦に移っているのですが。
ドーメルの軽い上着を羽織って。ルーヴル美術館のドラクロワを観に行きたいものですが。

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